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おおきく振りかぶって感想:月刊アフタヌーン2009年11月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2009年11月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


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第73回「準決勝7」です。

実は、まさか武蔵野第一が
ARCにコールド負けをするとは思ってなかったので、
読み始めた当初は、
今回で準決勝の試合が終わるとは思ってもいませんでした。
でも、ARCが得点を重ねていき、八点目を入れたシーンで
(武蔵野第一は四点)
「ん? これはもしかしてコールドもあり得る?」と
思い始めたところに、
武蔵野第一が十点目を入れられた描写を見せられて、
場の皆が「コールド」を念頭に置くシーンが出てきたので
「うわぁぁ」となりました。

私、漫画や小説の最大の利点は
自分のペースで物語を読める/間を好きなように空けられる事だと
思っています
(アニメや映画といった動画は
制作者側が提示する速さ・間をもって物語が進行しますので)。
なので今回も、最初に読んだ時は
武蔵野第一が点を入れられる度に「うわぁ」となり、
読むのをちょっと中断しては再開するのを繰り返していました。
以前の回の感想で、私は、
どちらの高校が勝っても構わないと書きましたが、
やはり、ここ数回の感想においても変化が出ていましたように、
いつの間にか武蔵野第一を応援していたようです。
最後、カグヤン先輩の頭上を超えて打球が飛び、
コールド負けの決め手となる十一点目が入ってしまったシーンは
私も頭が真っ白になりました。

最後の打球を処理したのがカグヤン先輩というのは
多分、ひぐち先生も狙って描かれていたと思います。
カグヤン先輩……
あのボールをバックホームしたかったでしょうね。
そして、どうせ負けるなら、
八回コールド負けではなく
最後の九回まで試合をしたかったでしょうね。



それまでの捕手が、初心者丸出しの秋丸君だった事もあって
その前の七回に三点を取られた勢いがARCに続いていたのも、
武蔵野第一にとってはマイナスでした。
武蔵野第一は、カグヤン先輩が投げた初回こそ
三点を取られていましたが、
六回までは、ARCの強力打線を
何とか躱す事ができていましたからね。
今回の冒頭の、八回最初の無死満塁は、
三橋が言っていたように、確かに榛名のミスのせいではありましたが、
その後、ああして点をたくさん取られてしまったのは、
チームの総合力において、
武蔵野第一が完全に劣っていた事にあると思います。
ぶっちゃけ、コールド制があるから
あれで終わりましたが、
おそらくコールドがないであろう決勝戦だったら
もっと酷い事に──それこそボロ負けしていたと思います。
(私のいる県では、決勝戦のみコールドが適応されません。
作品の舞台である埼玉県の高野連の規則は分かりませんので、
もしかしたら、決勝でもコールド制なのかもしれません)
榛名の体力云々に限らず、
三巡目を迎えたARCの攻撃は
並の高校では防げないと思います。
今回はもう、ARCを
「さすが王者」と褒めるべきだと思いました。



榛名について。
スタンドで観戦中の阿部から
秘かに「ツケが回ってきた」と言われ、
町田先輩にも、「100球〜」と
質問の形を取った叱咤激励をされていました。
確かに榛名は、
まだ一年生で、先輩たちが練習に本腰を入れない時から
一人でコツコツと、体力作りをちゃんとやってきたと思います。
走り込み、筋トレ、ある程度の投げ込み……と、
基本的な運動は勿論のこと、
食事や睡眠まで、多大な気を遣っていたと思います。
ですが、榛名が疲れているのは明らかでした。
これは、多少なりとも
榛名の経験不足が影響しているかもしれません。

ご存知の通り、投手はどの守備位置よりも疲れるポジションです。
だからこそ、投手は皆、走り込みを行なったりして
基礎的な体力の増加に励んでいますが、
この「おお振り」でも、
かつて行なわれた西浦対三星の練習試合で
叶君が舌を巻いていたように、
実戦では、練習では決して味わえない疲れを背負い込む事になります。
小さな的(捕手のミット)に向かって
百球以上も投げ続けるという体力的な問題が大きいのに加えて、
打者を相手にする度に緊張状態になり、
投手によっては配球の組み立てをしなければならず、
打者が打てば、投手も守備の一人となりますので
臨機応変に対応しなければなりません。
本当に、心身共に過酷なポジションです。
実際の高校野球でも、投球数が百を過ぎると
がくっと駄目になる投手も少なくないので
榛名だけに問題があるという事はありません。

ですが、百球以上を投げさせられる修羅場を超えてきてない事が、
榛名にとっては、今さらながらに大きな問題だったと思います。
本人はまだ大丈夫だと思い、
体力的には、本当にまだそうは落ちてないのかもしれませんが、
彼が集中できずに精神が乱れていたのは確実です。
そうした事が、
デッドボールやファーストへの悪送球などという形で
出ていたと思います。
焦りもあったでしょうが、
いつもの榛名なら、きちんとやれていた事のはずです。
こうしたミスが武蔵野第一にあった上で、
ARCは、全力投球ができない榛名の球を
しっかりと捕らえていたんですから、こうなるのも当然です。
元はと言えば、榛名の全力投球じゃないと通用しないから
捕手を町田先輩から秋丸君に替えたので……
この辺の詳しい事情は
ARCには薄々気付かれていた程度で済んでいたとはいえ、
結局は、捕手を町田先輩に戻しても、
長打を打たれてしまう状況に戻ってしまったわけで。
一気に点を入れられる展開になったのは
この回が始まる前から分かっていた事と言えるかもしれません。

今回は武蔵野第一の試合なので、
投手と言えば、どうしても榛名の話がメインになりますが、
修羅場を中等部時代に嫌というほどたくさん経験している
+投げる事がとにかく大好き
+投げる事で自分の存在意義を感じている部分がある
+長距離走が得意など基礎体力がある
+今は阿部に配球を任せられる
……事を考えれば、
三橋って凄い投手だなぁと、改めて思います。
しかも、どんなに長丁場の過酷な試合でも
抜群のコントロールを誇るなんて、
本当、勝って甲子園に行きたい阿部にとって、三橋は、
喉から手が出るほどほしい投手というか、
まさに、運命の相手だったと思います。

上記で、私は「最後の球の処理をカグヤンが〜」と書きましたが、
この局面で、同様にこの試合が最後となる町田先輩が
キャッチャーマスクを被っていたのも、
良かったと思います。
また、榛名の最後の球が全力投球だったのも、
町田先輩がそれを後逸せずに済んだのも、同様です。
あそこで町田先輩が榛名に全力投球を投げさせたのは、
当然の成りゆきだったと思います。
他の球じゃ、まず通用しないですから。
榛名にとっても町田先輩にとっても問題になっていたのが、
町田先輩では榛名の全力投球を捕れないという問題なので、
ここで榛名がそれを投げられた展開に対しては
二人は悔いをもたずに済んだと思います。
ただ、あそこでもし町田先輩が後逸していたら、
それこそ彼は、夜も眠れなかったかもしれませんので、
そういう意味では、痛烈に打たれた
──打った打者を褒めるしかない見事なヒットを打たれた事は
良かったのかもしれません。



さて……榛名たちの夏が、とうとう終わってしまいました。
カグヤン先輩たちの高校野球も、これで終わりです。
私は「基本のキホン!」も読んでいますので、
あのレベルでしかなかった学校が
今回の大会で準決勝まで勝ち進み、
しかもARCという名門の強豪校を相手に
六回までは僅差で試合をしていたという事実があるだけで
泣けてきます。
実際、最後の打球を捕って投げようとしたカグヤン先輩が、
遠くのホームベースを見て、
もうそれを投げる必要がないのを知る
=試合が終了したのを実感したシーンでは
涙が止まりませんでした。

全力を出し切ってもARCに勝てなかったのだから、
仕方ありませんが、
下級生の榛名に諭されるまで
──高校野球を行なえる時期の約半分を
無駄にしてしまった過去があるカグヤン先輩たちには、
いくら悔やんでも悔やみきれない感情があると思います。
でも、あれから彼らが頑張った事は
誰の目にも明らかですし、
今年のこの結果が、次の公式戦である新人戦や、秋大、
そして来春の新入部員の数にも
良い影響を及ぼすはずなので、
彼らには胸を張ってもらいたいです。

それにしても、点を入れられる度に
武蔵野第一の顔色が一瞬悪くなる=表情が固くなるのは
リアリティがあると思いました。
こういう局面は、テレビで流れる高校野球を見るだけでも
よく目にするものなので、
「あぁ、こういう空気になるよなぁ」と
懐かしく思ってしまいました。



最後になりましたが、
三橋から阿部に、榛名に会いに行こうと言っているのが
意外であり、嬉しくもありました。
三橋に連れられた形で、阿部が榛名と再会することによって、
あのわだかまりを改めて口にし、
気分的な問題を解消できれば良いなぁと思っています。



ところで、今晩(正確には明日未明)から
関東地区では、TBSで
アニメ版の「おお振り」の再放送が行なわれます!!!
今から楽しみでなりません。
改めて感想を書く予定でおりますので、
宜しければ、そちらもお読み下さいませ。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの感想も書きました。
おお振りアフタ感想:2009年12月号

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-09-25 20:24  nice!(0)  コメント(0) 
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