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おおきく振りかぶって感想:月刊アフタヌーン2009年10月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2009年10月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


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第72回「準決勝6」です。

音を出さないようにして物に当たる榛名の描写から
今月号が始まりました。
怖ぇぇぇぇぇ!
試合中なので、仲間である秋丸君に変な文句をつけて
チーム全体の士気を下げるような事になっては大変なので、
これは、むしゃくしゃしている気分を晴らす方法としては
良いのかもしれません……が
私には好ましいとは思えませんでした。
ただ、先月号での秋丸君の不甲斐なさを思うと、
気性の荒い榛名がああやって怒るのも
無理は無いと思います。



さて、そんな榛名に秋丸君が謝ろうとしましたが
その流れで、野球に対する二人の考えの違いが明確に出ていました。
二人の言い合いを読んでいて、改めて実感したのは、
ああいう不幸な事がなければ
榛名と阿部は良いバッテリーを組めたかもしれない事です。
塾や旅行を優先した過去があるらしい秋丸君については、
彼が一介の学生であるのを踏まえれば、別段、おかしくはありません。
そりゃ、機会が滅多にない外国旅行なら行きたくもなるでしょうし、
大事な塾の授業や試験があったら
野球部の練習を休む必要だって出てくるでしょう。
(榛名にしてみれば、秋丸君が塾に通っている事自体
“あり得ない”事であるのは、とりあえず置いておきます)
寧ろ、名門と言われる野球部がある学校に在籍しているのでなければ、
“何よりも部活動を優先する”のは、
今どきの子の思考とはかなりずれていると思います。
でも、最終的にプロを目指している榛名は違うわけで。
また、具体的な阿部の言動があったわけではありませんが、
彼の場合、家族旅行で外国に行く!と決められたとしても
「オレは部の練習があるからいいや」と言って
一人で蹴りそうです。

もっと例を挙げて言えば、
高校野球の秋季大会は、修学旅行と重なる事が多いので、
部によっては
全ての部員が修学旅行に不参加という場合も少なくありません。
榛名や阿部は、内心で惜しむ事があっても
「当然だ」と納得すると思います。
でも秋丸君なら、本気で残念がる……ような気がします。
榛名の影響を受けた秋丸君は、
彼に釣られてここまで野球を一緒にやってきたけれど、
“榛名と一緒に野球をやれるだけで満足している”
──ここが、榛名ー秋丸バッテリーの最大の問題点だと思います。
もし秋丸君が、榛名への劣等感で、多少、卑屈になりながらも、
榛名と一緒に“上を目指す”野球の練習を普段から行なえていたら、
今回の終盤で町田先輩にマスクを譲る事はなかったと思います。

というか、その交代の直前で、
秋丸君が、まだ自分がマスクを被るのか?と聞いてますが、
こう質問しちゃっている時点で
秋丸君にキャッチャーをやる資格は無いと思います。
よく、あそこで周りの人がキレなかったなぁ。
チームがピンチに陥っている今、
仕方がないから秋丸君に捕手をさせているのは
皆の目に明らかなのに
当の本人がそれを聞くのか!と、
私は読んでいてツッコミを入れてしまいました。
秋丸君さえ、普段からもっと練習に本腰を入れていれば、
捕手としての総合力で町田さんに及ばなくても
「三流」と呼ばれない程度には何とかなったかもしれないのに
こういう場面になってさえ
当人だけが「もっと練習をしておけば良かった!」と焦らず、
捕手として実力が低い自分を冷静に実感しているのは
まずいと思います。
他人である榛名の方が、秋丸君の実力や考え方に焦りを感じてるって、
甲子園を本気で目指しているチームでは
考えられない事です。
そして、今秋以降、
三年生の町田先輩が野球部を引退して、いなくなったら
この秋丸君が正捕手候補の筆頭になるわけですよね……。
試合の勝敗はともかく、
秋丸君がこの試合で変わらないと、
榛名が武蔵野第一で野球を続けていく以上、先はないので
次回以降のお話で、秋丸君の意識改革のエピソードがあったらいいなと
本気で望みます。
そうじゃないと、榛名がちょっと可哀相です。

尤も、榛名がこういう“他人との考え方の違い”の問題と直面した事を
中学時代の阿部との関わり方・言動を彼が反省するエピソードに
繋げてもらえるなら、
阿部が好きな私にとっては、とても嬉しいのですが。



さて、本筋である試合。
夏の高校野球が終わった直後という事もあって
(私は関東住まいなので、アフタは25日発売です。
昨日、夏の甲子園の決勝戦が終わりました)
ARCのバタバタした守備には
強い既視感を覚えました。
他のスポーツもそうですが
野球も、一瞬の判断の迷いが後で大きく響きますよね。
ARCの一年生投手・太田川君の速球が
武蔵野第一の打線を確実に圧倒しているのを思うと
今回の野手の守備は残念でなりませんでした。

一方で、武蔵野第一はラッキーだったとしか言えません。
太田川君の球を完全に捕らえる事は
もしかしたら、この試合では無理な事かもしれませんが、
とにかく、ボールをバットに当てなきゃ
話が始まらないですものね。
相手の失策に自分たちの好機を乗せていくのは
高校野球の基本スタイルなので
私は、武蔵野第一に対して「ツイてたな」と思うと同時に、
「さすがだな」とも思いました。

それにしてもARCは、勝っても負けても
(基本的には勝つ事を念頭に置いているでしょうが)
未来に繋げる為の野球をしていますね。
今回の一戦を超えて、太田川君が更に強くなり、
いずれは強大なライバルとして西浦高校の前に立ちはだかるのかと思うと
ちょっと怖くなりました。
現段階で、太田川君の球を確実に打てるにしうらーぜは
田島ぐらいですよね……。
花井や泉、栄口辺りも何とかなるかもしれませんが
下位打線はまるで歯が立たないと思います。



再び町田さんが武蔵野第一のキャッチャーマスクをかぶる!
というところで、
今回の漫画は終わってますけれど、
やはり榛名が全力投球できない弱点が大きいはずなので、
今後の回で、また彼が現状に対して苛々する場面が
出てきそうな気がします。
ARCに長打を連発されて、両校の点差がこれ以上開いたら、
それこそ武蔵野第一に勝ち目は無いので、
私は秋丸君のままの方が良かったような気がしますが
……こればかりは、先を見てみないと
何とも言えませんね!
またまた次回に期待します!





────
感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2009年11月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-09-25-3

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-08-25 14:32  nice!(0)  コメント(4) 
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コメント 4

ゆい

初めまして、こんばんは。
私には、榛名の言い分の方がよっぽど理解できませんよ・・・。
榛名は、中学の時は自分の都合だけで振る舞い、試合で本気を出したことはなかった事をまるっと忘れてしまっていませんか?
彼自身も大人の都合で傷つけられて苦しんでいたけれど、榛名だって阿部を傷つけていましたよね。
「自分は本気で戦っているのに、どうしてお前は全力を出そうとしないのか、何も感じないのか」・・・なんて、それを榛名に言う資格があるのかが疑問です。
でも、榛名は本当は秋丸とバッテリーになりたいんだろうなぁと考えると、行き場のない寂しさを感じます。
by ゆい (2009-08-26 03:22) 

さくら

■ゆい様
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

今回の感想では、私は秋丸君の言動ばかりで
榛名のそれに対しては触れてませんので、
ゆい様に勘違いされてしまうのも無理はないかもしれませんが
「(秋丸君が自分を伸ばそうとしないと)榛名が可哀相だ」とは
書いていても、
二人の言動を比べて「榛名の方が理解できる」とは
書いていません。

榛名の言動に対しても申し上げるなら
この二人は、どっちもどっちだと思います。

ゆい様がご指摘下さった
自分の過去の言動をふまえない榛名の今の言葉に関しては
勿論、私も同感です。
こちらについては、以前の感想でも少し書いたのですが
おそらく、榛名をかつての阿部と同じような境遇に立たせた末に、
「あの時のアイツはこんな気持ちだったのか」と
過去を振り返らせるような展開になるといいなと
思っています。
by さくら (2009-08-26 07:09) 

サキ

こんばんは。これまでも度々お邪魔しておりましたが、初めてコメントさせて頂きます。

さくら様の感想、とても興味深かったです。
榛名と秋丸のバッテリーにも問題点が多いようですね。
この2人の場合、秋丸が「上を目指す意識」を持てるようになるのも重要ですが、榛名にも捕手やバッテリーに対しての自分を省みる必要があるように思えました。
榛名本人が捕手をどう思っているのか、まだあまり描かれていませんが、シニアで組んでいた阿部や付き合いが長いはずの秋丸の中で、「榛名にとって、自分(捕手)は道具」という印象がある訳ですよね。相棒であるはずの捕手にそう思わせてしまうのは、榛名にも問題があるような気がします。
上級生の町田とは上手くやれているようですが、かといって信頼しているようにもあまり見えません。全力投球のサインを無視し、手加減してしまったのは「怪我をしないように」などの気遣いなのでしょうが、結果的に捕手を無視している、信頼していないというようにも感じてしまいます。
まあ、この辺は町田が全力を完璧に捕れないことが大きな理由なのでしょうが、どんなバッテリーでも暴投や捕逸は付き物ですし、それでも「相手を信頼して投げられるか、要求できるか」というのも重要なのではないかなと思います。

秋丸の意識と、榛名の意識。こちらのバッテリーもどのように変わっていくのか、とても楽しみです。


それと、さくら様の「榛名が過去を振り返るエピソードに繋がれば」というご意見に私も同意です。
以前は「そこまで詳しく榛名の内面や成長描写はされないだろう」と思っていたのですが、ここ数号で榛名や秋丸にかなり突っ込んだ描写をしていますし、榛名が成長するために過去を省みる展開もあり得るような気がしてきました。
この辺も今後どうなるのか、とても楽しみです。


長くなってしまい申し訳ありません。
これからもさくら様の感想を楽しみにしておりますね。

by サキ (2009-08-30 02:43) 

さくら

■サキさま
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

今回の榛名と秋丸君については
目的意識の違いが問題になっていますよね。
たとえば、今回、秋丸君が榛名に対して
他の学校に行けば良かったと言っていましたが、
強豪校では、野球を日々の生活の最優先事項にするのが当然です。
でも、榛名は敢えてそうでない武蔵野第一を選び、
彼自身が努力する姿を皆に見せる事で、
部内の意識改革を図ったようですが、
一番近い立場の秋丸は、榛名のそうした姿を見慣れているからか、
全然効果がなかったようで……。
意識の差から生まれるこうした問題は、
どの高校にもありそうな事です。
また、「基本のキホン!」で苦労していた榛名を思えば、
彼の野球は、“そういった意識の差をお互いの努力で埋める”のが
テーマになっているのかもしれません。


榛名の、キャッチャーを軽んじてしまう言動については、
私もサキさまと同じように思っています。

今の榛名は、自他共に認める凄い実力がありますし、
自信もありますので、難しいでしょうが、
三橋のように“捕手に生かされた”経験
(捕手のお陰で上手く投げられた事とか)を一度でも得れば、
考え方が変わるような気がします。
それこそ、榛名は中学時代から捕手を選んでいたようですが、
逆に、投手として捕手に選ばれる立場になったり、
「おまえじゃ駄目」と実力を否定されたりすると
人生観が変わるような気がします。
例を挙げると、
今の阿部にとって、一緒に組みたいと思える投手は、
榛名より三橋のはずなので
(阿部は配球をきっちりと立てて計算するタイプなので
制球力があってちゃんとカウントを取れる投手が合います)
かつては否定した阿部に榛名が否定されると
面白いかなとも思っています。


投手と捕手の関係は、夫婦と呼ばれるのが相応しいほど大事です。
どちらか一方だけが優れているのは、
自分に適した相手を見つけられないという点で
不幸な事なのかもしれません。
(だからこそ、阿部と三橋の出会いは幸運と言えると思います)
自分が皆を替えるつもりでいた
──でも例外がいたという事(秋丸君)と、
変わってくれたけど能力が追い付かなかった(町田先輩)事は、
榛名にとって予想外だったかもしれないですし、
分かっていたけれど敢えて目を瞑った事かもしれません。
少なくとも、この夏大だけで解決する問題ではないので、
にしうらーぜの成長と共に、
彼も素晴らしい高校球児になってほしいなと、心から願います。


この「おお振り」は、私にとって思い入れの強い作品で、
感想記事でも、つい独りよがりな部分が強く出てしまうのですが、
それでも宜しければ、また読んでやって下さいませ。
以前の感想もお読み頂いていたとのお言葉が
とても嬉しかったです。

諸々ありがとうございました。
by さくら (2009-08-31 00:46) 

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